2012年10月24日水曜日

アニソン作曲家対談 その2


ちょっと間が空いてしまいましたが、前々回のエントリ「アニソン作曲家対談」の続き。
印象的な発言を拾ってまとめて行きます。

※イベントの詳細
http://animeculture.net/project/005/

出演者は折戸伸治、天門、神前暁、畑 亜貴(敬称略)
※出演者紹介はこちら。
http://animeculture.net/project/005/about/




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引き続き、お題を出してゲストが答える方式です。
・リテイクが多かった仕事
畑:「空耳ケーキ」ですね~。11回リテイク出ました。

折戸:僕では無いんですけど、「リトルバスターズ」を一緒にやってた人で麻枝君からのリテイクが24回まで行った事が…
畑:それ、元の曲と全く変わっちゃってますよね(会場笑)

※99%以上が曲先。詞が先になることはまず無い模様です。


・業界について(デビューのきっかけ)
折戸:友達に「ゲーム会社作るから手伝ってくれ」と言われて「ええよー」って(笑)

神前:就職活動をしていて、ナムコに…

天門:学生の時からゲームが好きで、たまたまその時(日本)ファルコムが募集かけてたんですよ。普段は募集して無いんですけどね。

畑:ゲームが好きでゲームの仕事を…。コナミ信者だったので、「魂斗羅できるかもしれない?!」って(笑)ファルコムも視野に入ってたんですけど(笑)


・アニソンをやっていて良かった事
(…一瞬沈黙が流れる)

畑:なんで暗いの?(笑)。じゃあ私が…
ささきいさおさんの「銀河鉄道は遥かなり」を好き好き言いまくってたら、イベントのサプライズで、ささきいさおさんが出てくださって、目の前で歌ってくださったんです「ああ!仕事してて良かった!!」て今でも立ち上がって回りながら言いたいくらい(会場笑)


天門:(ニコニコ動画などで)「ef」のMADがたくさん作られて、「ああ、いいなぁ~」と楽しんでます。


・MAD
神前:大好きです

折戸:会社的にはグレーゾーンだけど、自分としては盛り上がりに繋がるんで「どぞ~」と。

神前:嬉しいですけどね~。原盤権はリアルに…(笑)

司会:ニコニコ動画が人気ですが…

畑:人気と売り上げは比例しないんだなって(会場笑)
なんかねー、そんなに売れてるわけじゃないみたい…


・ニコニコ動画からデビューするクリエイター
天門:自分で作ったものを発表する場が増えた、コミケで売るくらいしかなかったから…

折戸:僕らの時はパソコン通信でしたからね(笑)…ところで、頭についてる「P」ってなんなんでしょう?

畑:表に出せないから「P」なのかと(会場笑)
神前:そんなやましいもんじゃない(笑)

司会:みなさんがする時にニコ動があったら使ってますか?
神前:僕だったら使ってますね。
畑:亜貴Pです(会場笑)


・キャラソン
神前:キャラが歌うものなので…「中の人じゃないぞ!」と。

畑:歌詞でコケちゃったら終わりなので、メチャクチャ気を遣いますね。キャラソンのために原作やシナリオを読み返すとか、そういう準備が大事。


●質問コーナー
※以降は、アンケートに寄せられた質問を答えるコーナーに。なかなかいい質問が連発しました。

・制限があるのと、自由な楽曲。どちらが作りやすい?
畑:どちらもできないと仕事にならないので、できて当たり前です(笑)

天門:制限があるほうが作りやすいかな~…テーマが決まってたほうが。

神前:僕も制限があるほうが。かんなぎは…

折戸:僕は自由な方がいいかな~。制限があると、作ってるうちに壊したくなる。Sなんで
神前:僕、Mです(会場失笑)
天門:僕も
畑:私はS。…最初に明らかにしておけば良かったですね(笑)


・作詞と作曲の意思疎通
畑:プロデューサーが一番大事だと思うんですよね。

折戸:自分が歩み寄らず、相手に歩み寄らせる(笑)

神前:僕は作詞家の人が「これでいいよね」と言われたら「はい…」と(笑)1回も口答えしたこと無いです(笑)


・制作時間
折戸:基本、とっかかりまでに時間がかかりますね~。

神前:そうですね、終わらないというより始まらない。インスピレーション関係ない。締め切りがヤバくなったら作る(会場笑)

司会:畑さんはどれくらいで詞を書くんでしょうか?

畑:締め切りに合わせる…けど、1日に3歌詞はつらい。2まで。
3やると廃人みたいになっちゃうので、心の健康のためにやりたくない。


・どの楽器から打ち込み始める?
折戸:僕はメロディからじゃないとできない。
畑:同じだ~

神前:ピアノを弾きながらとか、全体からやる感じです。

天門:僕はサビから作る事が多いです。

折戸:Aメロ、Bメロ、サビ、イントロ。イントロは最後で、サビから流れを作って行きたいですね。
※楽器は全員ピアノ使用とのことでした。


・一番儲かった曲、値段の決め方(会場拍手)
畑:歌ものはほぼ印税、買取ははぼないです。1.5%が作詞作曲印税。

折戸:収入はサントラがメイン…なんだけど、会社勤めなんで社長が収入を握ってます(笑)

天門:ウチもそうですね~。TVで使われたりは別ですが。

神前:「Godknows…」ですね!カラオケで…。CDは「もってけ」のほうが売れたんですけど、あれ歌いにくいらしくて(会場笑)


・(一般に発売されない)DVDの特典サントラについて
神前:DVD付属のサントラはTV局のライブラリに入らないので、使用料が入らない。そこが一番悔しい!(会場笑)
サントラが1枚出ると、「この仕事やったな」って記念になるので…出してください!(笑)
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「同業者でこうやって話す機会はなかなか無い」とのことで、探りながらの場面もありましたが盛り上がってとても楽しめました。
発言が非常にさっぱりとした折戸さん、緊張気味に話す天門さん、やたら金の話に細かい神前さん、いつもより大人しめの畑さん。と4人ともキャラが立ってます。

以前から、ロフトプラスワンやNHKでのイベントで畑さんや神前さんのトークはたびたび聞きにいって、「ささきいさおがサプライズゲスト」(ものすごい盛り上がりだった…)の時もその場に居合わせたのですが、こうやって追っていると「ああ!あの時の!!」みたいな連続性が出ていいものです(笑)

終了時に、連れがサイン色紙当選のプレゼントに当選。うらやましいねぇ~。

慶応大学『アニカル研究会』のみなさん、楽しいイベントをありがとうございました。