2013年12月12日木曜日

復刊!「男の条件」

「原作 梶原一騎・画 川崎のぼる」という、あの「巨人の星」コンビがとてつもない気合をこめ、第二の代表作にすべく週刊少年ジャンプに送り込み速攻で終了した怪作「男の条件」が復刊してたので購入しました。
                       
まんが家・そして男の五大条件。
その一 だんじて小手先の作品をえがくなかれ おのれの血のすべてをインクにせよ!

そのニ かりそめにも花の人気を追うなかれ 土をおこして根をこやすべし

その三 いくばくかの地位を得ても未練をもつなかれ 嵐と平和あれば嵐をえらぶべし

その四 いかなるときも負けて泣くなかれ 負けて研究し勝利を生む母とすべし

その五 以上を守りぬいても自分のみ正しいと思いあがるなかれ 自分以外 すべて師とせよ!

「バクマン。」でも少し触れられたためか、帯にコメントを寄せてるのはガモウひろし。



巨匠が気合を入れすぎた作品らしく、とにかく全編に渡って説教説教説教の連続。
こちらの顔面がセンセイ・カジワラの唾でまみれている気分になります…


おりしもこのマンガの連載開始はジャンプ創刊間もない昭和43年10号。
その次の11号からは「男一匹ガキ大将」と「ハレンチ学園」の初期ジャンプ二大看板が連載開始するなど、後世の目から見ると色々な意味合いを含んでいる気もしたりしなかったり。



まず、第1ページ目に「考える人」のイラストとともに飛び込んでくるのがこの文字。
「児童まんが」「血みどろ」という単語のミスマッチさ加減が最高すぎです。

これを島本和彦が描いたのなら、こちらも半笑いで読み進めるだけなんですが、もちろんこのコンビですから(本人たちにとっては)笑いの入る要素などどこにもありません!
どっかで見たことがあるような場面(笑)
ほかにも、「種明かし的な場面ではキャラが延々と長セリフで解説」とか「置手紙」といった、巨人の星メソッドはここでも再現…というか、その手法しかないからなぁこの人。


もちろん目も燃えるよ。
全編にわたって説教と超展開が続く怒涛の450ページですが、まぎれもない怪作。
どう考えても部数少なそうだし、入手が難しくなりそうな気配がプンプン漂っているので、ぜひ今のうちに!


                        
                       
※当時のジャンプにおける事情や時系列は、西村繁男元編集長の名著「さらば、わが青春の少年ジャンプ」と「まんが編集術」の2冊を参照しました。

「まんが編集術」では少しこの作品について触れられていますが「人気は出なかった。むずかしいですよね」であっさり片付けられてます(笑)
まぁジャンプとしてはそうなるだろうなぁ…。むずかしいですよね。