2017年9月14日木曜日

新本格30周年!「30年目の十角館」を聞きに行ってきました。

           
9月6日に三越劇場で行われた、新本格ミステリ30周年記念トークイベント「30年目の十角館」を聞きに行ってきました。
話し手は綾辻行人、京極夏彦、辻村深月のお三方。
              
入口で、サイン入りの十角館の愛蔵版を販売してましたがあまりの列に諦め、逃げるように会場に入って始まるまで待機…。
まずは京極夏彦による十角館の朗読でイベントが始まります。
序章だけかと思ったらフツーに第一章に続いて「まさか最後まで…?」とビビりましたがそこまでで終わってトークショーに突入しました。

綾辻さんから、まずはお世話になった人への謝辞(誰も来てないけど)ということで、小野不由美、島田荘司、竹本健治、について言及。

綾辻「小野さんここに呼びたかったんだけど、残穢的な問題がありまして」(会場笑)
京極「いくらでも祓ってあげるのに!!」

京極「(十角館の)産婆的な役目を彼らが担って…」
綾辻「長いこと妊娠してた気がします」
京極「それは僕の小説!」(会場笑)
                
「だいたいお化けの話ばかりさせられるので、こういう場に出ると困る(笑)」
「全く自覚はないのに当時『新本格の幕を引いた男』って。引いた覚えはない!」(会場笑)
など、京極夏彦先生のトークはまるで講談師のようです。
ちなみに講演依頼はお化けの話ばかりでミステリに関しては全くないとのこと。誰か頼んで!

京極が出るまでの講談社ノベルズ、実は35冊しかなかった。
毎月面白いものが出ていた夢のような時代。

綾辻「みんな若かったしね」(会場笑)
京極「一気に大人買いするけど、貧乏だったもので『勘弁してくれよ』とか」

辻村さんと綾辻さんの交流のあれこれも語られましたが、プレゼントの応募に葉書を100通送ったとか、人によってはなかなか引いてしまうような話もチラホラと…。

文豪が異能で戦う話(前回、二人がトークイベントした場所はアニメイト!)や、平山夢明と京極さんが仲良しな話、YAKATA、「鵺の碑」はどうなっておるのか?!…などなど楽しすぎる1時間あまりのトークでございました。

最後に、事前に寄せられた質問で「おすすめの新本格は?」との問いがありましたがそれに対しては、
・綾辻「夏と冬の奏鳴曲(麻耶雄嵩)」 


・辻村「密閉教室(法月綸太郎)」


・京極「探偵映画」

の3つでした。なんというか、極めて真っ当なラインナップですね…。
私も「5冊選べ」と言われたら、上の中から探偵映画の代わりに「殺戮に至る病」を入れて、「迷路館の殺人」と「姑獲鳥の夏」を足す程度になりそうです。


そして、帰り際に「7人の名探偵」が売られていたので購入。
綾辻さんによる「仮題 ぬえの密室」は、「鵺の碑」へのラブコールだとか…(笑)

10月には、島田・綾辻対談がまた企画されているとのことなのでそちらも楽しみです!