2012年3月27日火曜日

戦火の馬 観ました

「一口馬主やってるのにまだ観てないの?!」
と人に言われたので、スピルバーグ監督の「戦火の馬」遅ればせながらみてきました。

第一次大戦前夜~終戦までを、馬と少年を通して駆け抜けるストーリー。
「プライベートライアンのノルマンディー上陸作戦みたいな奴を第一次大戦版でやりたいだけじゃねーの?」という邪推をしてしまいましたが、いい意味で裏切られる、王道なストーリーでした。

序盤の農村は、イギリスのダートムアで撮っているとのこと。
ミステリファンにとっては「バスカビル家の犬」や「赤毛のレドメイン家」で馴染みがある名前ですね。




とにかく馬の演技が上手で驚くのですが、ジョーイ(タイトルになってる鹿毛馬)が、トウカイテイオーのようなきれいな流星を持つグッドルッキングで、見てるだけで惚れ惚れします(撮影に当たって14頭用意されたとか。某チャトラン並みかも…)
黒鹿毛の馬、トップソーンとジョーイの友情も見どころ。

ジョーイとトップソーンの叩きあい(笑)は燃えます。

馬の世界では「色の黒いは七難隠す(笑)」とも言われるくらい、黒い馬は目立つし人気もあるものですが、それを思いださせるようなシーンが本編にあって「ああ、やっぱり黒いと強そうに見えるのなぁ…」などと妙な関心をしてしまいました。

馬好きなら、騎兵隊の突撃訓練と奇襲シーンを観るだけで元は取れるんじゃないかな。

映画としては、引用上手で知られるスピルバーグなだけに、どこかで見た名場面のパッチワークという印象はありますが、(嵐で畑が壊滅するところは記号的過ぎてなんとも…)それだけに安心しつつ、全く退屈もせずに2時間半を楽しめました。こういうところは流石です。


ドイツ軍の塹壕を制圧した直後に主人公が発する「助かった…!」という言葉に、『1914年も末になると、フランスもドイツもほぼ全家庭にひとりの戦死者を出した計算になる』(モードリス・エクスタインズ『春の祭典』)
という第一次大戦の凄惨さを感じさせて印象的でした。

ラストもすがすがしくて◎
不勉強なことに、人から聞くまで映画の存在を知りませんでしたが、いいものを観られて大満足。いや実に面白かった。


それにしても戸田奈津子、終盤の字幕ででジョーイの外見を「栗毛に白のソックス」はないだろ!!どっから見ても鹿毛でしょうが!!