2013年3月13日水曜日

「月とにほんご」発売記念『月とにほんごとワタシ』に行ってきた

かの有名な「中国嫁日記」の井上純一氏の新刊「月とにほんご 中国嫁日本語学校日記」の発売を記念して、新宿文化センターで3月10日にやったトークライブ「月とにほんごとワタシ」に行って来ましたよ。
                     

約200人入る会場と言う強気な設定でしたがほとんど満員。すばらしい!
「今回は聞かれたくない話が多いので、広まってしまった時はそいつの幻聴だと言い張ります!」て事だったので、ここから先に書かれるものは私の幻聴である可能性も否定できない。と言うことで…




ちょっと気になっていたことで、「中国嫁日記」がエンターブレインから出ていたのに「月とにほんご」はアスキー・メディアワークスから出てるのを見たとき、両社の関係を考えて「?」となっていましたが、色々話を聞いて納得。


冗談のつもりのかるーい口約束でも、それが対立するもの同士が絡むと、「あいつによそで活躍されるくらいならウチで獲得してやる!」と言ったスポーツ界などでおなじみの論理が働く模様。やはり激しい綱引きがあったんだなぁ…

イベントにエンターブレインのヒゲから花束届いてたし。
これは「中国嫁日記はエンターブレインのものである!」という意思表示だそーです(笑)

とはいえ、どっちもかなり売れているようなのでめでたしめでたし。

「月とにほんご」の装丁を担当した祖父江慎氏。その天才すぎる仕事振りを語ることにも多くの時間が割かれました。
「あえて読みにくいページを作って、内容面での穴を気づかせないようにする」とか「徹底して『中国嫁日記』に似ないように表紙をデザイン」や果ては話順の入れ替えやキャラクターに至るまで注文を出す…など。
装丁作家の仕事と言うのは普段あまり取り上げられる事が無いわけですが、ブランドと言うのは装丁によって作られる部分が大きいと個人的には思ってます。「新本格ミステリ」の辰巳四郎とかね。

最近は本を所有するのが負担に感じてきているので、「自炊と電子書籍中心にシフトしようかな…?」と思うことも多いのだけど、こうなってくると装丁作家の仕事はどうなってしまうのだろうか…。という気もします。


「東日本大震災が起きて、登場人物たちが帰国してしまう」という不測の事態で、1年以上も執筆が止まっていたと言う難産の末の出版。売れ行き好調でよかったですねホント。
個人的には1巻で完結しているのが嬉しいです。買う際に心のハードルがだいぶ下がるので(笑)

後半は井上純一のマンガ論を拝聴するといった様相を呈してきて、予定を30分以上オーバーしての終了。盛りだくさんでした。

「月とにほんご」、まだ買ってないので早く買わなくちゃ(笑)