2012年9月11日火曜日

U20女子ワールドカップ決勝 アメリカvsドイツ

(前のエントリの続きです)
3位決定戦でヤングなでしこが見事に勝利し、心地よい余韻に包まれていた国立競技場。この後は決勝戦が控えているのですが、それがなんと2時間後。ヒマをもてあましますね。
お客さんも結構帰っちゃってたし……
決勝キックオフの1時間前から、大会のクロージングセレモニー開始。
世界的イベントですから、こういう場面を目の当たりにする機会もなかなか無いので楽しみにしていたところ、出てきたのは乃木坂46(笑)一気にローカル感があがります。


すっかり耳に馴染んでしまった例の大会公式ソング(しかしひどい歌詞だね)を歌ったのですが、観客はかなりまばらな反応で実に微妙な空気が流れました…
さいたまダービーで怒られた教訓を生かしてか、今回はトラック上でのパフォーマンス(笑
陸上トラックが役に立った珍しい例ですね。
乃木坂と入れ替わりで「FIFAアンセム」の演奏隊が出てきましたが、これがなかなか上手くて、場内の空気も明らかに前の人たちより盛り上がってました。ま、もともと曲もすばらしいですしね。
いざ決戦の時!あまりのカッコよさに震えると同時に「日本が決勝に出ていればどんなにか…」の思いもよぎります。

今大会、ココまで無失点と圧倒的な強さを見せつけるドイツと、苦しみながら勝ちあがってきたアメリカ。

日本の試合ではすさまじい応援が繰り広げられていましたが、こちらは観客全員じっくりと固唾をのんで見守ると言った風景。次々起こる好プレーにはしっかりと拍手が沸きます。
ドイツサポは「ドイッチュラント!ドイッチュラント!」と女の子の声援が微笑ましく、アメリカは「USA!USA!」と野太い声で応援も対照的(笑)

「ドイツの圧勝だろうな…」と思っていましたが、「これ、ほんとに女子のU20かよ?!」と、ちょっと驚くほどレベルの高い名勝負になりました。
早く、正確なパスを繋いで、質実剛健な攻めを見せるドイツ。マロジャーンの足元に入るとかなり高い確率でいいポストになります。
アメリカは右サイドの黒人コンビ、ダンとヘイズ、左サイドのオハイ(美形)の両サイドが高い質のチャンスを作ります。
どちらかと言えばドイツのペースで進みますが、アメリカの中央がかなり固く、なかなか崩す場面がありません。

とにかくハイスピードでめまぐるしく攻守が入れ替わり、どう転ぶか全くわからない展開になりましたが43分、右サイドをスルスルと上がっていったダンが目の覚めるような突破から折り返して、中央に切れ込んできたオハイがゴール。両サイドが見事に仕事をしました。

ハーフタイムにはなでしこジャパンのロンドン五輪報告セレモニーが。宮間が挨拶してましたが、何だか恥ずかしそうだったなぁ~。


あまりにもハイスパートな展開だった前半だったためか、後半はさすがに落ち着いた試合に。
アメリカがそういう展開にした感じもありますが、完全にドイツは術中にはまって、まったく通らない縦パスを連発。アメリカとしては大して怖くない攻撃です。それどころかたびたび鋭いカウンターを…
終了間際にはドイツも意地を見せ、シュートの雨を降らせましたが、しっかり守ったアメリカが見事に優勝!決勝で大会通じて初の失点で敗北とは、ドイツのショックはいかばかりか…
 ガックリと崩れ落ちて、ほとんどの選手は表彰式が終わっても泣いてました…


試合が終わるとすぐに表彰式スタート。
日本にはフェアプレー賞が。何か大会があるたびにこの賞もらってますね。
御茶ノ水のサッカーミュージアムに行くと、墓標のように並ぶ大量のフェアプレー賞トロフィーが見られます(笑)
得点ランキング2位の田中陽子にはシルバーブーツ賞、 そして柴田華絵が優秀選手のシルバーボール賞を贈られました。明確なスコアを残した前者に比べて後者はちょっと驚きですが、活躍からすればおかしくないですよね。

3位の日本。試合が終わって時間が経ってはいるけど、ジャージなのはやっぱ締まらないよなー。

2位のドイツ。嬉しさのかけらもありません。悲しみだけ。
そして1位のアメリカは大爆発(笑)&花火。いつも遠い国のTVでの映像で見るだけでしたが、肉眼で見られてたいへん満足でございます。得がたい体験です。
さっきのドイツとは正反対の大騒ぎ。
「ありがとう日本」の垂れ幕も。すばらしい試合でした。こちらこそありがとう!
最後まで超テンション高かったアメリカ選手。こちらまで思わず頬が緩みます。

集客面とか、告知面など、色々な課題はあったこの大会ですが、ヤングなでしこの快進撃もあって本当にすばらしい大会になったと思います。

当日は15時に千駄ヶ谷に着いて、国立競技場を出たのが22時ちょっと前という実に長丁場の興行でしたが、「世界大会の決勝を観戦」というのはほんとうに価値ある体験でした。

しかしこうなると、来週から始まるU17女子ワールドカップも観ざるを得ませんね(笑)
女子サッカー台風はなかなか去ってくれないようです。