並ぶのが遅れてやや端の席に座っていたら、なんと隣の席に評論家の切通理作さんがやってきました。
ツイッターでフォローさせて頂いてたので、それを話しかけるきっかけにできましたが、これが初めてツイッターが具体的な役に立ったと感じたひとこまだったかもしれません(笑)
…けど、「オタク大賞の名誉観客(笑)です」とか言ったほうが良かったのかもしれないなあ。。。
切通さんとは、第1部の作品についてちょっと話が盛り上がりました。
私:庵野さんが選んだって言いますけど、しかしなんでまたこのセレクトなんですかね~w
切通さん:(レオ3話は)鉄塔がバタンと倒れてそのまま終わる。ていうのは結構話題になったのよ
などなど、少しでしたが楽しくお話させていただいて感謝でした。
私の連れの特撮ビギナーに対しては「最初に見る話がこれってwww」という反応。そりゃそうですよね~。
さて第2部が始まると、実際のミニチュアセットやカメラを使っての講座です。
前編「ミニチュアエフェクトを体感する」では、特撮カメラマンの桜井さん(楽しそうに話すのが印象的!)と、マーブリング・ファインアーツ社の岩崎社長とで、ミニチュアエフェクトの授業。
いくつかのキーワードを解説しながらキーワードを実際の映像で実演すると言う、たいへん解りやすくてすばらしい授業です。
●パンフォーカス
手前から奥まで(全面)ピントが合っている状態。肉眼に近い形。
●ハイスピード撮影
ハイスピード撮影=スローモーション撮影。フィルムを早く回すことで、映像を遅く見せる。
ミニチュアのサイズを大きく見せ、重量感を出す。
●虫の眼レンズ
ミクロとマクロのいいとこどりをしたレンズ。
桜井さんが手づくりで作った特撮映像も公開。
植木鉢に盛った土を跳ね上げてるところを、ハイスピード撮影にしただけで迫力ある特撮映像になっているのをみて客席一堂から感嘆の声が上がりました。
参加者を交えて実験も。
特撮ビルの上には、美しく壊れるための破片もあらかじめ準備されておりますw
隕石が降ってきて……
見事に破壊!!!
さらにまとめとして、街に現われた巨神兵が動き、ビルが倒れていく。というシチュエーションを、参加者の操演で実演。
スタッフは、監督、助監督、巨神兵操演、電車を引く担当、ビル倒す担当2名(ビル1、ビル2)の大所帯。
どの担当も希望者殺到でしたが、私は幸運な事に助監督の役割を得る事が出来ました。円谷組でいえば中野昭慶さんの役割ですな!
けど写真が無いのが悲しい…(T.T)
一応、私の鳴らしたカチンコですw
後編はの特技監督の尾上克郎さんをゲストに、マーブリング岩崎夫妻さんとの間でパネルトーク。
「シャッターアイランド」や「私は貝になりたい」でのミニチュアの使われ方を映像で解説する部分では、現在のCGとの棲み分けを興味深く見る事が出来ました。
シャッターアイランドはミニチュア合成が多かったんだなぁ…
尾上さんの話はどれもこれも面白かったのですが、
「新しい事に挑戦し続ける。というのが特撮だったはずがいつの間にか伝統芸になってしまった」
「伝統工芸に胡坐をかいて、世の中が違うところに行っていた」
という言葉が特に重く響きました。
作り手も受け手も、大体はその事をわかっていて、「それでもミニチュア特撮が好きなんだ!」という忸怩たる思いを抱き続けてるんでしょうけどね~……
ともかく、尾上さんの次回作「のぼうの城」は観に行きます!!
舞台が行田市で隣町ですしね。
3000トンの水を使った洪水の特撮というのはどれほどのものなのだろうか…?
本当に満足度の高い講座でした。主催者の皆様ありがとうございました!
※特撮博物館公式ページに当日のレポートが。さすがによくまとまっています。