年季の入ったスタジアムに、真新しい「浦和駒場スタジアム」の文字がまぶしいです。
猶本光、柴田華絵など、U20女子W杯に出場した若手選手を7人も抱える浦和(スタメンは3人)。
こうなるとどうしても、なでしこジャパンvsヤングなでしこの代理戦争的な見方をしてしまいます。
ま、チーム得点王だった田中陽子はINACにいるんですが。
先日のベレーザ(リーグ2位)戦では1600人ほどだったお客さんも、この試合は7330人の観衆。
「INAC一強でつまらない」という声もたまに耳にしますが、リーグの構造としては「INACとやる時だけお客さんがたくさん来る」という状況。
例えるなら、NWAチャンピオンのルー・テーズが全米をサーキットして地元の選手と戦う。といったところなんでしょうか。
試合はほぼ互角に推移しますが、攻撃のパターンが多いINACに比べてレッズの攻撃は厚みに欠けるところがありました。期待の猶本と柴田も前半は目立たず。
猶本はシュートの意識が高くなってきたようですが…
INACはボランチに入った川澄と、4-2-3-1の右に入った田中陽子の連携で何度かチャンスを作ります。
29分に澤から田中に素晴らしいロングパスが通り「あ、決まるかも」と思った途端に川澄とのワンツーから得意の無回転ミドルシュートが炸裂。U20女子W杯でのナイジェリア戦を思い出させました。
FKだけじゃなくて、流れの中でも左右で無回転ミドルを蹴れるのか~。
前半はこのまま0-1で終了。
INACのゴーベル・ヤネズが相手のバックパスに対してものすごい勢いでチェックに行くのが印象的でした。特に危なくないような場面でもあまりにも勢いがすごく、観てるほうが驚くくらいだから選手もプレッシャーを感じていたかも。
試合は後半に入るや否や、川澄のシュートからこぼれ球を高瀬が押し込んでINACが追加点。
ココからようやくレッズが反撃開始。
62分の柴田の突破→猶本のシュートは、消沈気味な観客の息をも吹き返した感じのある好プレー。
後半は柴田が積極的に仕掛けていく場面が増え、柴田vs澤や猶本vs澤のマッチアップが多くて見応えがありました。こうやって成長していってほしいねぇ~。
それにしても、この相手でもまったくボールを失わない柴田のキープ力は素晴らしい。さすがW杯のシルバーボール!
この試合の澤は恐ろしいまでの出来で、レッズのチャンスの芽をことごとく潰していました。
澤の守備能力はいまさら言うまでも無いのですが、とにかくあらゆる危険な場所に顔を出して未然に防ぐので、「澤がいなくなったらINACも代表も大変だなぁ…」という思いがいっそう強くなります。
先取点も澤のパスによるところが大きいし。
レッズは柴田のクロスから猶本が絡み、吉良が決めて2-1としますが、ほどなく3点目を決められて万事休す。
藤田、荒川、加藤の3人が入ってからはリズムのいい攻撃もあり、ロスタイムには加藤が仲田歩夢(入ったの気づかなかったw)を抜きさってゴール。意地を見せました。
今回は負けたけど、これだけいい若手がいるので、将来性はINACより上のような気もします。
…澤が抜ければなんとかなるかも(笑)
ホーム最終戦ということで、監督の挨拶がありましたが、メインスタンドにはこのような弾幕が。
うーん、客層勘違いしてるんじゃなかろうか?見ていて気分のいいものではありませんでした…
これまた最終戦ということで、選手が握手でお見送りしてくれます。
柳田美幸と握手できたのが一番嬉しかったな~。
数年前から、レッズレディースが熊谷で試合をやる時はたびたび観に行ってるので、長いこと居る選手が今でもがんばっててくれるのは嬉しいし励まされます。