2019年4月24日水曜日

わしはむごい男じゃった「ミステリー小説の夜明け」展


群馬県立土屋文明記念文学館で開催中の「ミステリー小説の夜明け」展を見てきました。
6月9日まで開催しています。
http://bungaku.pref.gunma.jp/
車でないとなかなかアクセスが厳しく、タクシーですと片道2800円ほど掛かりました…
前橋からバス460円がおすすめ(高崎からのバスは土日祝日廃止されてました…)

角川映画の上映会や、横山秀夫先生の公演などなかなかイベントも多く、力が入ってます。

江戸川乱歩、横溝正史、渡辺啓助、渡辺温の4人及び、新青年についての展示です。
乱歩も正史も、いつも見かける写真ではなく若いころのものが使われていて新鮮。
あとの2人は「空気男爵」を聞いたことがあるくらいで正直よく知らんのですが…。

新青年のコーナーでは、抜粋された横溝正史による編集後記で「陰獣」についての部分が笑えました。
「乱歩先生からひどい原稿がきて、コレじゃダメですと言ったら『じゃあ他に掲載する予定の原稿をそっちに回そう』と言って、来たのが陰獣だった」て感じの内容です。

乱歩の展示物はさすがに点数が多く、直筆の書や署名入り原稿用紙(現在使ってる人などいるのだろうか…?)、パノラマ島奇譚について詠んだ「大空に裸女千断の花火かな」という句や、宮崎駿の幽霊塔(これは要らないだろ 笑)などなど…。
かの有名な「うつし夜は夢(略)」のもとになった詩、「空想的経験こそは現実の経験に比してさらに一層リアルである」の色紙もありましたが、あれはイギリスの詩人とポーの言葉から取ってたんですね、知らなかった。
               
あとはみんな大好きポプラ社版(後半の奴も!)の全点展示や生頼さん表紙の奴や黒蜥蜴各種。
               
横溝正史コーナーでは、愛用の小物入れ(カセットテープは石原裕次郎)や筆皿、
乱歩から送られた「チャンドラーが新鮮だから是非読め」と薦める書簡、他は各種映画やマンガなどメディアミックス商品の数々を展示など。
世田谷文学館から来ている資料が多く見られました。

なかなか行きにくい場所ですけどミステリファンなら楽しめると思います。
               
売店では、図録の他にこんな本を衝動買い。4千円弱しましたがこれはいい本だ